MCBIが開発した解析システムによって、高い精度と感度を示すタンパク質・ペプチドのディファレンシャル解析が可能になりました。

Molecular and Clinical Bioinformatics
認知症予防のために~軽度認知障害(MCI)を早期発見する血液検査~
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研究内容

当社が開発した解析システム2D-μLC-MALDI-TOF、MS/MSならびにMSデータ解析ソフトによって、高い精度と感度を示すタンパク質・ペプチドのディファレンシャル解析が可能になりました。

サンプル 前処理と分離 質量分析 比較解析 バイオマーカー探索 バイオマーカーの同定 診断バイオマーカーの検証 アッセイ法開発・臨床有効性試験

1. サンプル

Biological Sample

弊社では患者様や薬物投与された遺伝子改変マウスから得た血清・血漿・組織をサンプルとして種々のバイオマーカーならびに創薬ターゲットの探索を行っています。
μLCは流速が10-100 μL/minですが、サンプル量をさらに微量で済むようにしたnanoLCも弊社では用いています。この場合は流速が10-1000 nL/minとなります。

2. 前処理と分離

Sample Preparation

高性能液体クロマトグラフィー(μLC)を用いてサンプル中のペプチドの分離を行います。
2D-μLCとは、異なる分離カラムを持つμLCを2台連結することによって、1台では不十分なペプチドの分離をより精度良く分離・分画します。1台での分画を1次元(1D)、2台を連結して分画することを2次元(2D)と表します。
弊社ではタンパク質を除去したサンプルからペプチドを陽イオン交換カラムで6分画して、さらにそれぞれを逆相カラムで192分画します。合計1152画分に含まれるすべてのペプチド成分を質量分析機で測定します。

3. 質量分析

Mass Spectrum Analysis

2D-μLCで分画した各画分中のペプチドをマトリクス支援レーザー解離イオン型飛行時間型の質量分析機 (MALDI-TOF/MS)で測定します。
すべての画分について、全自動でスキャンすることにより、ペプチド由来マススペクトルのデータ取得をハイスループットで行います。 ペプチドの測定には電子スプレーイオン化飛行時間型質量分析機(ESI- QTOF)、リニアイオントラップ型ハイブリッド質量分析機(ESI-Q TRAP)も使用されます。

4. 比較解析

Differential Analysis

DeView™は弊社の開発製品です。
この解析ソフトはMALDI-TOF MSで得られたすべてのペプチド由来のシグナルを2D-μLCによる分画順にGelView表示することでサンプルのペプチドマップを視覚化することができます。
視覚的にペプチドマップを比較することで、サンプル間でのペプチドの発現の差異を調べ、バイオマーカー候補を見つけます。

DeView™は群間の比較ができる使用の簡便な解析ソフトですが、弊社ではこれをさらにパワーアップしてMALDI-TOF MS以外の質量分析計や多種類の液体クロマトグラフィーに適合できるようなフレキシブル仕様の解析ソフトParnassum™を開発しました。
使用が簡便な点はこの新解析ソフトでも維持されています。詳細についてはProductsの項のIT事業をご覧ください。 さらに、お客様のご要望にしたがって、新しい解析ツールの開発も行っています。

5. バイオマーカー探索

Biomarker Discovery
クラスター分析、ROC解析

弊社が共同開発した解析ソフトDeView™は患者様と健常人、あるいは薬物投与された動物と未投与の動物、それぞれ多数のサンプル中のペプチド成分に由来するマススペクトルの群間比較を短時間に行い、バイオマーカー候補を妥当性の高いものから順にリスト表示することができます。

cluster analysisは一定範囲の分画とm/z 値にあるピークのクラスターを視覚的に分析するものです。異なる群に属する個体(ヒトを含む)は異なる色のドットで表され、各ドットはどの個体のものか識別できるようになっています。
そのクラスターに特定の色のドットのみが見られる場合は、その群に特異的なマーカーによることを示しています。

ROC analysisは、診断テストやスクリーニングテストの精度の評価や新しい検査法と従来の方法の比較などに用いられる分析法で、データからROC曲線(受信者動作特性曲線)を画いて行います。これは、縦軸を感度、横軸を偽陽性率(1-特異度)としてプロットした曲線で、曲線がより左上方に位置するものを判別力が優位とします。 バイオマーカーの発見・同定においてもDeView™とParnassum™は不可欠な解析ツールとなります。

6. バイオマーカーの同定

Protein & Peptide Identification
ペプチドマーカー
タンパク質バリアントマーカー

発見されたバイオマーカー候補の同定を行います。MS / MSとは、異なる質量分析機を連結して質量分析を行う方法で、ペプチドを質量分析機内で分解し、そのフラグメントの質量ををデータベースと比較対照することにより同定します。
タンパク質についてはペプチド・マス・フィンガープリンティング(PMF)とMS / MSサーチを用いて同定を行います。 データベースに登録されていない新規のペプチド・タンパク質については、MS/MS測定で一つずつアミノ酸残基を同定し、アミノ酸配列の決定を行います。

7. 診断バイオマーカーの検証

Verification of diagnostic biomarkersn
前臨床試験

最初に発見・同定された診断バイオマーカーを各群数十例からなる患者・非患者の群からのサンプルによって検証(verification)します。 より多数のサンプルを用いる臨床有効性試験(clinical efficacy trials)と区別して、ここでは前臨床試験(preclinical studies)と呼んでいます。

8.アッセイ法開発・臨床有効性試験

Biomarker Discovery

臨床有効性試験(clinical efficacy trials)ではサンプルの数を増やしたり、サンプルの処理方法や疾患が異なるサンプルを数多く用いてマーカーとしての妥当性・有用性を精査します。
そのためにアッセイ法を開発します。immunoMS™は抗原抗体反応を利用し、目的のタンパク質やペプチドを特異的に捕らえ、質量分析を用いてバイオマーカーを検出する診断技術です。ELISAは酵素結合免疫吸着測定法でバイオマーカーに特異的な抗体を用いる方法です。